2022年の実質GDPが前年比7.6%を記録するなど、成長が続くフィリピンの経済状況。人口増加により今後も発展が見込まれますが、実際にどのくらいの成長が期待されているのでしょうか。
この記事では、2023年最新のフィリピン経済状況と、今後予想される経済状況を解説します。フィリピンがこれほどまでに経済成長を続ける理由についてもまとめました。
2023年最新のフィリピン経済状況
フィリピン統計庁(PSA)が2023年1月に発表した情報によると、2022年の実質GDP成長率は前年比7.6%となりました。この数値は目標値を上回っただけでなく、1976年に記録した8.8%の経済成長率に次ぐ歴代2位の成長率です。
また最新情報としては、2023年7-9月期のフィリピンの実質GDP成長率は前年同期5.9%増と上昇し、こちらも市場予想を上回る結果となりました。
それぞれの産業ごとの成長率としては、鉱工業は6.7%、サービス業は9.2%と大きな成長が見られる一方、農林水産業は0.5%と成長率が低いことが見て取れます。
フィリピンの基本情報
東南アジアに位置するフィリピンは、7,000を超える島々から成る島国です。首都のマニラには多くの観光客が訪れ、日本人が訪れる国としても上位に位置します。
ASEAN唯一のキリスト教国で、国民の80%以上がカトリック、その他のキリスト教が10%、イスラム教が5%です。民族はマレー系民族が多くを占めていますが、中国系、スペイン系、少数民族が住んでいます。
また、タガログ語と英語が公用語とされていますが、その他にも80を超える言語があります。
フィリピン経済成長の2つのポイント
フィリピンの経済成長を続ける理由を2つのポイントから見てみましょう。
1.高い英語レベル
出典:efjapan
フィリピンでは、小学校から大学までほとんどの授業を英語で行います。メディアなどを通して英語に触れる機会も多く、高いレベルで英語を話せる人が多いです。世界最大の英語能力指数ランキング(上図)においても、フィリピンは20番目に英語力が高い国として挙げられています。
また、フィリピンの経済の特徴として挙げられるのが、海外労働者とBPOの存在です。英語が堪能なフィリピン人はアメリカや中東などに海外労働者(OFW = Overseas Filipino Workers)として出稼ぎに出ており、この出稼ぎ労働者からの送金もGDP成長率を支えています。
近年では、いわゆる”業務委託”を指す、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と呼ばれる産業の発展がめざましく、フィリピンの就業者の半数以上が働いています。特にフィリピンのコールセンターBPOは世界トップの規模で、これも高い英語力があってこそ成り立つ産業と言えるでしょう。
2.人口増加と平均年齢の若さ
フィリピンの人口は毎年増加を続け、2021年には約1.139億人を突破し日本に迫る勢いです。下記のグラフは、フィリピンの人口増加の推移と予測を示したものです。人口増加は2090年近くまで続くと考えられています。
さらにフィリピンの平均年齢は24歳と若く、就労意欲の高い若者が多く存在します。下記のグラフは、男女別に各年齢の人口を表した人口ピラミッドグラフです。
グラフを見てわかる通り若い層が非常に多く、富士山型の形状になっています。この場合は出生率が高い反面死亡率も高い状況を表し、発展中の国によく見られる形状です。まさにフィリピンも成長の真っ只中にいると言えるでしょう。
フィリピン経済状況の今後
フィリピンの経済は新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けた時期もありましたが、政府は経済回復のためのさまざまな施策を導入しています。
課題としてインフレーション率の上昇や雇用の不確実性などはあるものの、インフラ整備やBPO産業に力を入れ、経済の安定を目指していると言えるでしょう。
フィリピンの持つ高い英語力や平均年齢の若さ、就業人口の増加により、今後もASEANの成長をリードしながら安定した経済成長を続けると期待されています。
まとめ
人口増加とともに経済成長が続くフィリピン。英語が公用語として使われていることからハイレベルな英語力が特徴で、これを活かした出稼ぎ労働者の存在やBPO産業の発展が高いGDP成長率を支えています。
コロナによる打撃やインフレ上昇といった課題はあるものの、政府の推し進める施策により経済の安定化を目指しています。今後もフィリピンの経済成長を続ける未来に期待できるでしょう。
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