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フィリピンの住宅事情
フィリピンの貧富の差は未だ変わらず、貧困の割合は多くなっています。
それは住まい一つとってもその差を見ることができます。
例えば、貧困層の家はオープンな造りに対して、富裕層はセキュリティがしっかりしています。
またそれぞれの所得を比較すると一目瞭然です。
下図は経済産業省が出している「医療国際展開カントリーレポート」で掲載されていたフィリピンの世帯所得分布になります
この図を参考に貧困層・中間層・富裕層の所得をみていくと、貧困層は全体の約25%で年収11万円〜54万円、中間層は全体の約70%で55万円〜380万円、富裕層は全体の約3%で380万円以上という結果になっています。
2000年と比較すると中間層の割合が増えていることがわかりますが、まだまだ貧困層の割合は多いです。
これらを踏まえた上で貧困層・中間層・富裕層、それぞれの特徴を見比べていきましょう。
貧困層の住宅
貧困層の住宅の造りは、壁が木材、屋根はトタンといったような感じになっています。
フィリピンでは雨が多く降るため、床は数十センチ高めに造っています。
そうすることで浸水を防ぐとこができます。
しかし、窓などにはガラスがついておらず、雨風が強いと完全に吹き込んできてしまうところが難点です。
またドアには鍵がついていないので、誰でも入って来れるような感じになっています。
空き巣に入られる恐れもあるので、安心して暮らすことは難しいです。
ちなみに、お風呂やトイレはなく、共同スペースとしてあります。
お風呂に関しては、日本のように湯船に浸かる文化はないのでシャワーが多いです。
ですが貧困層にはシャワーはないので大きめの桶に水をため、手おけで流しながら洗います。
貧困層の人たちは、基本的に独自で家を造っているため建設費はあまりかかりません。
それは、住まいよりも仕事や食費の方を最優先として考えているところに理由があります。
だから住める場所があればゴミ溜めの上に家を建てる場合もあります。
そこに大家族で住んでるとなると大変ですよね。
このように貧困層は住まいを優先的に考えているわけではないので、セキュリティやプライバシーなどあまりないようなところに住んでいます。
中間層の住宅
中間層の人たちは、一戸建てに住んでいたりグレードが低めのコンドミニアムに住んでいる場合が多いです。
一戸建て住宅の造りは、コンクリートブロックを積み重ねたような家になっています。
2階建てのところも多く、貧困層と違って頑丈な造りになっているので、雨風も凌げます。
安めのコンドミニアムに住んでいる人は家族の場合も多いですが、友達とシェアして住んでいる人も多いようです。
友達を集めてシェアすることで、住居をグレードアップしたり、家賃を安く抑えることが可能になります。
やはり中間層も仕事を優先して住宅を決める場合が多いようで、特に共働き世帯などは、通勤時間を短縮するためだったりオフィスビルや買い物できる場所が近かったりということを大切にしているようです。
このように中間層は生活環境の整った住宅に住んでいます。
富裕層の住宅
富裕層は、中間層と同様に一戸建てやコンドミニアムに住んでいる人が多いです。
一戸建ての場合は、高級住宅地に住んでいる人が多くセキュリティに関しては24時間警備員がいたりと、プライバシーも守られ安心して生活することができます。
また高級コンドミニアムにはプールやジムなど色々な施設が常設されているのでコンドミニアム内で有意義に過ごすことができます。メイドが付いている場合もあり、身の回りのお世話をしくれるため不自由なく暮らせます。
住宅の種類
前の章で貧困層・中間層・富裕層での住宅事情について紹介しましたが、さらに富裕層に関して焦点をあて、より詳しく見ていきたいと思います。
富裕層になってくると高級住宅というのはもちろんのこと、そのほかにメイドや運転手など、それぞれのランクによって人を雇っていたりもします。
ここでは戸建てと高級コンドミニアムについて紹介していきます。
戸建住宅について
戸建て住宅については、貧困層があちらこちらに家を建てたりするのに対し
中間層以上は、きちんと区画整理されたところに家を建てます。
区域全体は、外から不法侵入されないように塀で囲ってあるような状態でその中にいくつか家が集まっています。
その区域内のことをビレッジと呼び、ビレッジの中に家がある人は専用のゲートを通る必要があります。
家族やメイド、運転手などそれぞれパスポートのようなものを持っており、
警備員は入り口で監視している為セキュリティ抜群です。
高級コンドミニアムについて
コンドミニアムは現地の人にも海外の人にも人気があります。
賃貸や購入物件として代表的なものと言えるでしょう。
コンドミニアムの良いところは家具などが元から揃っており、初期費用を抑えられるとこです。
グレードの高さによって変わってきますが、プールやジム、サウナ、テニスコートなども常設しています。
そこに入居していれば全て無料で使い放題なので建物内だけでも十分に楽しむことができます。また24時間複数の警備員が駐在しているので、セキュリティの面でも安心です。
まとめ
フィリピンの住宅事情についてここまで紹介してきました。
まだまだ貧富の差はあり住宅一つ見ただけでも貧困層・中間層・富裕層で圧倒的な差があることがわかりますね。
今回は特にその中でも戸建てとコンドミニアムに焦点をおいて見ていきましたが、
どちらもセキュリティ面では安心して暮らせるような仕組みで、
フィリピンに住みたいと考えている人にとってはどちらも魅力的に感じると思います。
海外に長期滞在しようと思ってる人や住みたいと思っている人は、
安心して質の高い暮らしができる、人気のフィリピンの住宅を検討されてみてはいかがでしょうか。
コラムニスト紹介
永田 智睦 (ながた ともちか)
API Gateway株式会社 代表取締役
6年間金融機関に勤務後、個人保険代理店を営み法人化。
現在はフィリピン不動産販売会社や独立系FP事務所を中心に3社経営。
金融業界15年、独立して10年の経験を持ち、個人プランニングを約1000名近くの相談を受ける。
なおAPI Gatewayはフィリピン最大手財閥系デベロッパーの正規代理店として2019年、2020年と2年連続で日本マーケット売上高1位の実績がある。